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コムチュアが取り組むCRM/SFA
日本パーカライジング株式会社
「スピード化」「共有化」「簡素化」を実践するために
・社名 日本パーカライジング株式会社
・資本金 45億6,039万円
・業種 化学会社
・従業員数 830名
・使用ユーザー数 300名
事業内容
鉄・アルミ・ステンレス・亜鉛・鋼などの素材の強度向上をはじめ塗装品質性能アップなどはもちろん耐久消費財の美観の保護まで、ファインケミカル分野のなかでもスペシャリティを追求した幅広い総合的な表面処理剤トップメーカーとして、多角的な経営展開と付加価値の高い製品開発を推進しています。
工業用から家庭用製商品までのあらゆる産業で身近な用途に幅広く使用され、創立以来80年余マーケット・シェアNo.1の業界最大手の表面処理化学会社で、国内はもとより、米国・中国・韓国・台湾・タイなどをはじめ世界11カ国に合弁企業または当社現地企業が稼働しており、新しい時代感覚と高度な技術力で現地から高く評価されています。
お客様のニーズ
■SISS(セールス・インフォメーション・シェアリング・システム)として実現
「営業情報を残す」「営業情報を共有する」「報告を簡単にする」「人間関係を残す」という4つの考え方を基に、SISSを構築しました。
1)営業情報を残す
技術関係の書類についてはデータベースがあり、検索も可能になっていましたが、営業情報については、週報や得意先への報告書しかなく、ハードコピーを1枚ずつ確認するしか検索方法はありませんでした。組織的、体系的にデータベース化することで、過去の経緯がわかる仕組みを実現するということが、もっとも大きなニーズでした。
2)営業情報を共有する
新製品の一斉販売など、様々な営業所で同じテーマを持つ場合、従来は誰が担当しているかを調べて、電話を掛け聞くしか方法はありませんでしたが、営業情報を残すことで、それらを共有化し、営業活動に生かすというのが第二のニーズでした。
3)報告を簡単にする
従来は週報がありましたが、階層毎にまとめなおしながら、経営層に上がっていくため、無駄な作業だと感じられていました。また必要に応じて個別案件の経緯をまとめなおしたり、担当者の負荷が多くなっており、営業情報の共有により、同じ報告を何度もしないということを基本にしたいと思いました。
4)人間関係を残す
得意先の社風や担当者の性格など、会社との関係や人間関係はすべて個人ものでした。担当者が変わる度にすべてを引き継げるわけではありませんし、人間関係の構築には時間がかかるので、短期間に担当者が変わると、ほとんど人間関係が無くなってしまいます。そのときに、とっかかりになるような情報があれば、迅速にリカバリーができるのではないかと考えました。
実現方法
■報告をフラット化し簡素化
従来、担当者→所属長→担当役員→全役員という階層型の週報の制度がありました。
その場合、各階層においてまとめ直しという無駄な作業が発生していました。
今回のシステムは、この週報の作り方に特徴があると思います。
担当者は日々の活動を登録・報告し、所属長はそれらの中から経営陣に見てもらいたいものをチェックして承認するだけで、その他の報告を免れます。担当役員は日々報告されているものの中から、週報で報告すべき重要テーマ情報をチョイスして、週報を自動生成し、役員自身の考えを入力し完成します。
つまり、一度書いたものをそのまま再利用して、週報を自動生成し、週報データベースに蓄積されています。
週報を作成するために、本部長、事業部長が必ず目を通しますので、しっかり情報が入力されるようになりました。
週報が自動生成されるから、日々の情報がきちんと入力されるようになり、報告作業の手間も削減され、よいサイクルとして回っています。
所属長は報告書作成の時間が削減でき、役員は現場の生の情報が瞬時に入手できるということで社内でも好評を得ています。
■クレームは向上の糧
従来クレームは失敗・ミスというイメージで、ともすると責任論ばかりが先行するため、窓口である営業部門が中心となり関係者内で解決するというようなことが多く、結果的に同じクレームがあちこちで起きるなど、営業部門の負担が大きくなっていましたが、ISOの取得をきっかけに、経営者もクレームは会社を良くする題材と捉えるようになりました。
現在は、他部署の協力を必要とするかどうかを基準にして、情報発信しておけば品質保証部が主管となり社内の関連部署との連携を迅速にして、早期解決するシステムが構築できました。
それにより営業部門も対応が楽になるために入力が促進されるようになりました。
さらに、クレームが発生して、是正処置、予防処置が必要なものには、最後の対応が終わってからでないと、完了の状態にならないようにすることで、クレーム情報に対して、漏れのないきちんとした対応ができるようになりました。
■公開機能による情報マネジメントの強化
現在は、誰でも見ることができる状態からセキュリティー機能を強化しています。具体的には、所属長がチェックしてから、全社に公開するような手順を採用し、情報がアップされると、拠点長にメールが配信され、所属長が承認すると、全社に公開される仕組みになっています。
これは、不確かな情報をそのまま全社的に公開してしまうことを防ぐことにも役立っており、なんでもいいから情報を蓄積するという初期段階から、役立つ情報とは何かを考えて情報を蓄積していくという次のステップに移りつつあります。
■システムの統合化と海外からのアクセス対応
SISSは、Lotus Domino7にバージョンアップし、地域毎に分散していたLotus Dominoデータベースをデータセンターに一元化しました。また、中国語の対応なども行い、回線等については、メタフレームサーバー(プレゼンテーションサーバー)経由でアクセスするなど、システムの統合化により海外からのアクセスも可能としました。
イメージ図

システムの発展形
■情報が共有されていれば、クレームの顧客対応も違ってくる
クレーム情報が共有され、クレームの発生から対応終了までが可視化され、手順化されているので、クレーム時の顧客対応が違ってきています。また、クレーム全般を管理している品質保証部では、手順や状況が見えているので、管理、対応がしやすく、又、情報が迅速に水平展開できるため、同様のクレームが他ユーザーに波及しない様に予防策ができ、会社全体の品質向上が図られることに役立っています。
■どんどん情報が入ってくることで、今まで見えていなかったことが見えてきた
ISO等で基本的な手順は全社で統一されていましたが、細かい部分において手順等が違うことが、クレームやその対策の横展開によって、明らかになった事例もあり、地域間差異など見えなかったことが見えるようになりました。
■地方や海外拠点との社内コミュニケーションとして
今回のシステム、SISS(セールス・インフォメーション・シェアリング・システム)は、営業部門だけはなく、品質管理部門や技術本部、海外の駐在員に利用されています。
営業部門においては、本部長と接する機会が少ない地方の拠点などは、本部長がまめにレスポンスすることが動機付けにもなっています。
また、海外の駐在員にとっては、国内の動きがリアルタイムに伝わるので、技術移転などもスムーズになることを目指しています。
活用の秘訣
■営業所ではまず入力してもらう(報告システムではなく、情報共有化システム)
当初は、日報を入力させ、共有化することで、営業の行動管理をするのではないかと危惧した人が大勢いました。
しかし、SISSは報告システムではなく、情報共有化システムであるということ、逆になんの「情報」もない日記のような報告は止めて欲しいということ、しかも担当者は一度入力すれば基本的に他の報告は免れ、所属長は報告不要ということを説明し、みんなが納得してくれました。ただ当面は「情報」ということを意識せず、なんでも入力してもらうようにして、まず利用することを促進しました。そうすれば、そのうち情報を検索することにもなり、共有すべき情報というものが、自ずと認識できるようになることを期待できるのではないかと考えました。
■経営層へのお願い
従来と違い、担当者の日報が経営層に直接見られることになるため、様々なあらが経営層の目に付くのではないかということを懸念し、経営層の方には当初メモ程度の感覚でみるようにお願いしました。
内容や文面の不備について、経営層から注意が入ったりすると、書き手は萎縮してしまい、ライブ感のある情報ではなく、形式的で表面的な情報しか書かなくなってしまい、そのような情報をいくら蓄積してもあまり意味がないからです。そして、システムに慣れてきて、情報や状況が見えてきた頃合をみながら、徐々に洗練させていく手順を踏むようにしました。
将来の展望
■他人の経験を自分の疑似体験とする
全国で同じ製品の拡販展開をするときに、他の得意先でのFQAや成功・失敗事例は、参考となります。
社内の様々な人の経験を蓄積し、分析することでより戦略的な拡販活動が可能になります。
現在営業部門ではテーマの進捗管理・報告を主体として利用されていますが、今後は成功・失敗要因や競合の情報など、付帯情報の蓄積を充実したいと考えています。
■社内事情まで精通しているような取引先情報に強化していきたい
仕事は、ある意味、人間関係で成立している部分が多く存在します。
それを単に引き継ぐことはできず、3回担当者が交代すると、今までの人間関係や信頼関係がゼロに
なってしまうケースすらあります。今後は、これらの課題を少しでも解決したいと思っています。
簡単なところでは、お客様の社風とか、担当者の癖とか、トピック的な過去対応履歴や対応方法など、そのような情報を蓄積していけたらと思っています。
この考え方の背景には、目先テーマや売上を追うだけではなく、会社としてお客様と長期に渡って、よい関係を築くという気持ちがあってこそ、このようなお客様の情報が蓄積できるのであって、このような考え方をもった社員により、何世代にも渡って取引先情報が蓄積されていく、そのようなシステムに成長していければと思っています。
■情報とは、何かを考え、質を高めていきたい
同じ話を聞いても、人によって解釈が違い、その解釈の違いによって有効に活用されるかどうかがも変わってきます。まずどのようなことが情報なのかということを考え、そのレベルを合わせ、高めることで、情報としての価値が上がっていくと思います。そして、その情報を有機的につなげることで、新たな戦略が生まれ、拡販につながることを期待しています。
(掲載月:2007年12月)
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